コンテナ輸送事業部 トレーラードライバー 田中一男

名前と入社何年目かを教えてください!

田中さん

田中一男。大体38年です。社員で一番古いんじゃないかと思います。

38年! そこまで続けられている理由はなんでしょう。体の丈夫さですか?

田中さん

いえ、この仕事の業務内容は運転だけですから、特に体の丈夫さは要りません。トレーラードライバーをやっている人は分かると思いますが、この仕事の作業というと、エアホースつけたり、コンテナの足を上げたり下ろしたり、そのくらいで、労働という労働はほとんどないのです。とにかく運転がメインですね。2トン車だったら、今はフォークリフトを使うかもしれませんが、昔は自分で荷物の上げ下ろしといった労働をしていました。しかしトレーラーはそういった労働はないのです。そういう意味では楽だからこの仕事やったというのも理由の一つとしてあるかもしれません。

運転はずっとトレーラー一筋ですか?

田中さん

そうですね。昔はちょっと修理屋もやっていましたが、ドライバーの仕事としてはコンテナが最初です。

どうしてトレーラー運転手を選んだのですか?

田中さん

トレーラーがかっこいいなという思いもありましたし、その当時、トレーラードライバーは結構お金が稼げたんですよ。

トレーラーの魅力はどこですか?

田中さん

トレーラーやっぱりかっこいいなと思います。大きいじゃないですか。やっぱり大きい車体を自分で操るというのがいいですよ。

仕事の仕方にも適性があったのでしょうか?

田中さん

事務職のように人がいっぱいいるところで仕事をするのに比べて、トレーラーは外で一人でやるのが良いですね。人にどうこう言われるのが嫌いで、一人でやるのが好きな性格です。「車長」ですから。会社の「社長」じゃなくて車の長ですからね、運転手は。やっぱりそのほうが気楽です。たくさん人がいるような事務所だと、いろいろ人間関係だとか厄介なものありますが、トレーラードライバーだと人間関係と言っても無線で喋る程度です。もちろん仲の良い人とは飲みに行くなど個人的な付き合いをするでしょうけれど。

意外とドライバー同士は頻繁にコミュニケーションを取るのですよね!

田中さん

無線がありますからね。プライベート無線で喋れば他の人に聞こえません。やっぱり同業者同士は、ものすごく情報をやり取りするものなのです。コンテナの場合、ここの港は混んでるとか、ここが空いてるとか、ここへ並べば良いとか、そういう情報がたくさん必要なのです。だからみんなやりとりします。
それから配達に行く場合、初めてのお客様の時だと、道が狭いのか、倉庫が広いのか、車がバックで入るのかなど、そういう情報もすごく必要なのです。なのでやりとりをします。

運転席ってドライバーの部屋みたいですよね。

田中さん

自分の部屋ですよ。乗ってしまえば一人です。歌を歌ってもいいですし、タバコを吸ってもいいですし、何をやっても自由です。なのでみんなテレビを置いたり、パソコン置いたりしている人もいます。この仕事は待つ時間が長いので、その時のためなのです。

運転席に登ると視界が広くて気持ちがよさそうですね!

田中さん

視界がいいから乗用車より運転しやすいです。前に大型トラックがいると見えないですが、前にいるのが乗用車であれば何台も先まで見渡せます。だから運転も楽ですよ。

一方で、大きいので運転が難しそうです。

田中さん

意外と大きいものを扱う人には、繊細さが必要かもしれません。粗っぽい性格だとやっぱり危ないです。事故を起こさない人は、気が利くというか、繊細さがあるというか、そういう特徴を持っている人が多いのではないかと思います。

38年の中で、大きな事故を起こしてしまったことはありますか?

田中さん

ありません。人身事故はないし、追突事故もありません。そこに関しては自分で自分を褒めてやりたいと思います。

トレーラーで事故を起こさない秘訣は何ですか?

田中さん

秘訣というと、やっぱり注意力です。事故を起こすと自分にとってもマイナスですし、会社にとってもマイナスですし、大怪我をしてしまっても損ですし、やっぱり緊張感を持って「絶対に事故は起こせないな」と常に思っているのがいいのではないかと思います。今特に私は新人ドライバーを教えている立場なので、さらに緊張感を持って運転しています。教えてる人が事故を起こしたらどうなるでしょう。教官が車をボコボコぶつけてしまうなんて、話になりません。学んでいる人たちも誰も教官の話を聞いてくれなくなります。車間距離等、事故起こさないポイントはあるので、それさえ守れば事故につながる確率は必ず減ります。
あとは、カッとしないことが肝要です。それは人の性格だから教えることができません。だからあとは経験を積むことと、自分がどのくらいでカッとするタイプかを認識しておくことが大事です。大概のことでカッとしない性格の人もいる一方で、ちょっとのことでカッとする性格の人もいます。小さなことでカッとしてしまうタイプか、それとものんびりしていてあまりカッとすることはないタイプか、自分の許容度を知っておくことです。そして、実際にカッとしてしまったときは、「3秒間待て」といった対処法などがよく言われていますが、自分でそういった対処法を実行するしかありません。やはり慌てると事故は起きやすくなりますが、一方で、とにかく慌てなければ事故は本当に少ないと思います。特にトレーラーは図体が大きいので、狭いところを走行する際、意図せず交通支障を起こしてしまうこともあります。そういうとき、周りのドライバーからクラクションをブーブー鳴らされることもあります。そうすると慌ててしまうわけです。中には車から降りてきて「このやろう」と言ってくる人もいます。最近はあまり見ないですけれど、昔はよくいました。そういう時であっても、とにかく慌てないで落ち着いてやることです。「初心者なので少し待ってください」と、このぐらいのことが言えれば大丈夫です。

休みの日に好んでやることはありますか?

田中さん

休みの日はショッピングに行くのが好きです。

どのようなショッピングに行くのですか?

田中さん

そんな大袈裟なものではありません。服でも、100円ショップでも、ホームセンターでも、スーパーでもよいですし、アウトレットに行ったりもします。対象はなんでも良くて、出かけて、色々と見て歩くのが好きなのです。いつも妻と二人で行きます。

楽しいのはどういうときですか?

田中さん

やっぱり安くていいもの見つけると嬉しいです。あとは、ショッピングに行くと喫茶店でコーヒーを飲んだりするのも楽しいですし、ちょっとしたドライブをしたりするのも好きです。アウトレットに行くと、それだけでも結構いいドライブになります。一口にアウトレットといっても、今はたくさんあります。三井系のアウトレットだと、木更津、横浜、幕張、町田。三菱系だと、阿見、酒々井だとか。川崎だったらラゾーナもありますよね。結構詳しいです。

かなりの愛妻家だと聞きました!

田中さん

妻とは常に一緒にいますね。これだけずっと一緒に暮らしてきたんですから、この人とこれからも一生終わるまで一緒です。だとしたらやっぱり夫婦仲はいい方がいいと思っています。

働き出した頃と今だと業界もかなり変わっていますか?

田中さん

業界はもう180度様変わりしてしまいました。当時は、就業時間という概念など全くありませんでした。今でもいるかもしれませんが、当時のドライバーはみんな車内で寝泊まりをしていました。家には帰ってこないという人もザラにいました。私も相当な回数車内で寝泊まりしました。港が混んでいる時は、コンテナを積む時間が遅くなってしまい、それでも次の日の朝6時や7時に長野に着いていなくてはならないといったことがあると、自分の家に帰って寝ていたら遅れてしまいます。なんなら車内で寝ている時間すらないこともありました。そういう時代でした。もちろん、100%条件がいい職場などというものはあり得ないですから、みんなどこかで折り合いをつけて選択するのだと思います。この条件は許せる、これはもう自分には合わないという風に。それでいうと、ここまで続けてこられたということは、トレーラードライバーの仕事が私には性に合っていたということだと思います。

業界はこれからどうなると思いますか?

田中さん

とにかく今は、世界中で輸出輸入が網の目のように絡み合って行われている時代だから、貿易に不可欠なトレーラーの仕事は絶対になくならないと思います。システムを利用して、もっと仕事の効率化をするのが課題だと思います。一時、トレーラードライバーの労働時間が長くて若い人に嫌厭されてしまった時代がありました。今でもそう思っている人いるかもしれません。その原因は、やはりコンテナを港に積みに行ったり下ろしに行ったりするのに時間かかることにあります。だけど、そのプロセスのスピードアップは、運送会社の我々だけではできないのです。港や、あるいは東京都といった行政、それらの組織も同じ目的で対策をとってもらう必要があるのです。今どこも盛んに対策を取ろうとしています。

運送業界は物流の担い手ですから、これからもっと重要さを増すと思います。これまでももっと脚光を浴びてもよかったと思うのです。これまで、なんとなく恐そうなイメージを持たれていました。女の人などは、トレーラーの車体の大きい車が来ると、粗っぽいイメージを持つのは自然です。ドライバーへのイメージも、その車体から想像して、すごく粗っぽい人間が乗っているのではないかと思われても仕方がなかった。でもそれはもう今変わりつつあります。物流の重要な担い手ですから、必ず変わりますよ。運転手も変わりますし、会社も変わっていきます。

富士陸送はその良い変化の波に乗れると思いますか?

田中さん

富士陸送いいと思いますよ。みなさん富士陸送にぜひ来てくださいね! 素晴らしい会社になっていきますよ。今、昇り調子です。会社のいろんなところがよく変わってきていますから、これから楽しみです。

だからどうぞ、優秀な人も優秀じゃない人も、入社してきてください。うちは人に優しい会社ですから、ぜひ!!

(インタビュー実施:2020年7月)